2015年4月17日金曜日

2014年広島東洋カープベストゲーム10選(8) 福井3年ぶり完投勝利 7/27 広島6‐1阪神

◆試合概要
お立ち台の広島東洋カープ菊池、福井
出典:www.nikkansports.com
福井(0勝1敗)-メッセンジャー(8勝7敗)で始まったこの試合。
立ち上がり不安定な福井は、いきなり3番鳥谷にタイムリー三塁打を浴び、不安定な立ち上がりも、マートンを併殺打に抑えるます。
すると回を経るごとに尻上がりにテンポが良くなり、気づけば完投勝利。

打っては、2回に三連打でつくったチャンスを押し出し死球と菊池の走者一掃の二塁打(+1エラー)で一挙4点。
その後も中押し・ダメ押しと得点を重ね、危なげないゲームとなりました。

野村監督が「待望の選手が出てきてくれた。鳥肌が立った」という快勝に、歓喜のマツダスタジアムでした。

記事:2015年7月27日試合経過





◆予想外の快勝
8回裏に福井がネクストバッターサークルに向かうと、マツダスタジアムは大歓声。9回裏は福井コールに包まれました。
前年・今季未勝利の福井と、カープが苦手とするメッセンジャー。
この試合の下馬評は圧倒的に阪神。しかし蓋を開けてみれば、
9回表にマウンドに立つ福井と、5回にはマウンドを降りているメッセンジャー。
こんな展開を予想したファンはいたのでしょうか。

初回、鳥谷に三塁打を浴び早々に1点を献上し、続くゴメスには死球。「またか」と思ったファンがほとんどだったのではないでしょうか。

良い意味で予想を裏切ったこの試合。
「福井復活」を強く期待させてくれる内容でした。

動画:福井&菊池のヒーローインタビュー




◆福井投手のデビュー戦と、父・俊治さん
福井三年ぶり完投勝利を伝えるカープ号外
出典:www.nikkansports.com
2011年4月17日。福井投手のプロ初先発試合は巨人戦でした。
序盤、制球に苦しみ先行きが思いやられる展開も粘りの投球。
7回2失点にまとめ、試合も4-3と勝利しました。

この試合のテレビ観戦で印象的だったのは、幾度となく映される福井投手の父・俊治さんの表情です。
ピンチには不安そうな顔、抑えれば満面の笑顔。
見る側にも「親心」が伝わる表情で、筆者も観戦者ながら「このお父さんを喜ばせてあげたい」と思っておりました。
そんな親心を知ってか、福井選手のヒーローインタビューでは、「親に感謝です」と話すと、父・俊治さんも「自分の方が涙して止まらなかった。そんなに感動すると思っていなかった」とコメント。

家族で築いたプロの初舞台を印象付けてくれました。

そんな父・俊治さんは、2013年9月に54歳の若さで急逝。
この完投勝利は、俊治さん急逝後、初めての勝利&お立ち台となりました。

天国の俊治さんも、最高の笑顔と涙で、この試合をご覧になっていたことでしょう。

 

カープ福井初先発初勝利を喜ぶ父の俊治さん
出典:www.nikkansports.com
◆福井投手の野球の父、上甲正典監督
安楽投手の起用法でも話題になりましたが、愛媛県・済美高校の上甲監督は高校野球界の中でも著名な監督の一人です。

済美高校を有名にしたのは春センバツで優勝、夏には準優勝という成績をおさめた2004年。福井投手が高校2年の年です。

1年秋からエースだった福井投手は、上甲監督のことをこう言っています。
「監督がいなかったら、今の僕はない。高校3年間で人間的にも成長させてもらった」
 
福井と上甲監督
出典:www.asahi.com
そんな上甲監督は、2014年9月2日、胆道がんのため逝去されました。

福井投手は、悲しみも癒えない 9月4日の巨人戦で先発し、6回1失点(併殺崩れの1失点のみ)と好投しています。
しかし不運にもこの好投は報われず、試合は0-1で敗戦。

弔い星を捧げるため満身創痍で投球した福井投手は、 「今日は勝ちたかったです。負けたら意味がないので…」。とこぼれ落ちた涙を右手でぬぐったそうです。

結果、 弔い星は、9月20日(6回1失点)までお預けとなりましたが、福井投手らしい投球は、見る側の目頭も熱くさせてくれる好投でした。



二人の良い父に恵まれつつも、早くに亡くしてしまっている福井投手。
しかし二人の心と思いは福井投手の心と右腕にしっかり刻まれ強く生き続けています。
今後の福井投手の更なる躍動に期待しています。



関連記事:済美高校が全国の舞台で勝てるチームになった要因
関連記事: 済美高校・上甲監督




2014年広島東洋カープベストゲーム10選(7) 延長11回の粘り勝ち 7/23 広島4‐2ヤクルト


◆試合概要
2014年7月23日カープ赤松の激走1-2の9回表。
ヤクルトは抑えのバーネットを投入し、暗雲立ち込める中、丸が会心の一撃で値千金のホームラン。試合を振り出しに戻します。


そして2-2で迎えた延長11回。
2死ランナーなしから、赤松がヒット&盗塁であっという間に得点圏へ。四球を挟み、会澤のタイムリーで、赤松激走のホームイン。
さらに前回のブログで話題にしました木村昇吾もタイムリーを放ち、勝負を決めました。
2014年7月23日ホームインでガッツポーズの赤松
出典:koisoku.ldblog.jp
この日は、2014年にプチブレイクの戸田が先発し、2回と6回の各1失点計2失点のみに抑え、 好投。
11回には、2014年途中から中継へまわった中崎がプロ入り初セーブを記録しています。



記事:2014年7月23日 試合結果










◆好守が続出したナイスゲーム
2014年7月23日カープ丸かえる跳びキャッチこの試合は、ファインプレーがありすぎて、びっくりします。

・キラが、一塁ベースに当たって弾んだ打球を素手で捕球。
・エルドレッドが、斜め飛びのダイビングキャッチに成功。
・中東がスライディングキャッチし、好返球でダブルプレー。
・同点弾を思わせる打球を丸が蛙飛びキャッチ&ゲーム終了。


ヤクルト打線に打ちこまれるシーンも多かったのですが、チームで守り切った展開でした。






◆延長11勝3分4敗(CS含む)の2014年
カープ菊池の「優勝しましょう」サヨナラTシャツ
出典:www.shop.carp.co.jp
7月29日に中日に敗れるまでは、延長不敗神話が語られるほど延長戦にめっぽう強かったカープ。
中継・抑えが安定し、エルドレッドをはじめ決定力が高かった前半戦。8月までは延長=勝ちパターン。サヨナラ勝ちも下記の通り実に7回を数えました。
1.4/2  堂林サヨナラホームラン
2.4/4  梵サヨナラホームラン
3.4/27 エルドレッドサヨナラホームラン
4.5/13 梵サヨナラホームラン
5.6/22 ロサリオサヨナラホームラン
6.8/27 石原サヨナラいんちき?
7.9/9  菊池サヨナラヒット

筆者も、菊池のサヨナラTシャツは頑張って購入しました。
振り返ると、2014年の延長ゲームは見ごたえがありました。


2015年は4月16日時点で残念ながら既に0勝5敗。
ここからの奮起に期待したいものです。


◆次回ブログ予告
 2014年広島東洋カープベストゲーム10選(8) 福井3年ぶり完投勝利 7/27 広島6‐1阪神










2015年4月5日日曜日

現在最下位の背景と解決策を探る‐打率・得点圏打率から(2015/04/05)

◆広島東洋カープの打率・得点圏打率
なかなか一本がでないなぁという印象だったので、データを見てみました。
下記の表は、4月4日時点での打率・得点圏打率の一覧です。

「チャンスはつくっても打てない、続かない」が裏付けられる数値です。


 ◆課題:やっぱり打てていない
・得点圏打率3割以上が新井選手のみ(ただし3-1)
・3番丸、4番グスマンの得点圏打率が1割台
・ほとんどの選手が打率が得点圏打率より低い

選手が気負っていて、チャンスで回ってくると硬くなってしマインドセットの課題もあるのでしょうか。


◆解決策:チャンスに打てる人とは?
まだ開幕から8試合。
データで判断していくには時期尚早かと思いますが、今ある打撃面でのデータだけで判断するならば、直近の試合では、

・松山をクリーンナップに。
・遊撃手、三塁を田中より、梵or木村
 (ただし、痛いエラーの印象が、、、)
・二軍で打点を残している選手に期待

あたりが必要なのかと思います。



 
◆二軍の実績
候補としてあげやすいのは、二軍でクリーンナップで打点を挙げている 堂林(4)、土生(4)、下水流(5)。
緒方監督は、堂林を選択したようですね。

今日あたり、スッキリした試合が見たいですね。