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立ち上がり不安定な福井は、いきなり3番鳥谷にタイムリー三塁打を浴び、不安定な立ち上がりも、マートンを併殺打に抑えるます。
すると回を経るごとに尻上がりにテンポが良くなり、気づけば完投勝利。
打っては、2回に三連打でつくったチャンスを押し出し死球と菊池の走者一掃の二塁打(+1エラー)で一挙4点。
その後も中押し・ダメ押しと得点を重ね、危なげないゲームとなりました。
野村監督が「待望の選手が出てきてくれた。鳥肌が立った」という快勝に、歓喜のマツダスタジアムでした。
記事:2015年7月27日試合経過

◆予想外の快勝

前年・今季未勝利の福井と、カープが苦手とするメッセンジャー。
この試合の下馬評は圧倒的に阪神。しかし蓋を開けてみれば、
9回表にマウンドに立つ福井と、5回にはマウンドを降りているメッセンジャー。
こんな展開を予想したファンはいたのでしょうか。
初回、鳥谷に三塁打を浴び早々に1点を献上し、続くゴメスには死球。「またか」と思ったファンがほとんどだったのではないでしょうか。
良い意味で予想を裏切ったこの試合。
「福井復活」を強く期待させてくれる内容でした。
動画:福井&菊池のヒーローインタビュー

◆福井投手のデビュー戦と、父・俊治さん
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出典:www.nikkansports.com |
序盤、制球に苦しみ先行きが思いやられる展開も粘りの投球。
7回2失点にまとめ、試合も4-3と勝利しました。
この試合のテレビ観戦で印象的だったのは、幾度となく映される福井投手の父・俊治さんの表情です。
ピンチには不安そうな顔、抑えれば満面の笑顔。
見る側にも「親心」が伝わる表情で、筆者も観戦者ながら「このお父さんを喜ばせてあげたい」と思っておりました。
そんな親心を知ってか、福井選手のヒーローインタビューでは、「親に感謝です」と話すと、父・俊治さんも「自分の方が涙して止まらなかった。そんなに感動すると思っていなかった」とコメント。
家族で築いたプロの初舞台を印象付けてくれました。
そんな父・俊治さんは、2013年9月に54歳の若さで急逝。
この完投勝利は、俊治さん急逝後、初めての勝利&お立ち台となりました。
天国の俊治さんも、最高の笑顔と涙で、この試合をご覧になっていたことでしょう。

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出典:www.nikkansports.com |
安楽投手の起用法でも話題になりましたが、愛媛県・済美高校の上甲監督は高校野球界の中でも著名な監督の一人です。
済美高校を有名にしたのは春センバツで優勝、夏には準優勝という成績をおさめた2004年。福井投手が高校2年の年です。
1年秋からエースだった福井投手は、上甲監督のことをこう言っています。
「監督がいなかったら、今の僕はない。高校3年間で人間的にも成長させてもらった」
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出典:www.asahi.com |
福井投手は、悲しみも癒えない 9月4日の巨人戦で先発し、6回1失点(併殺崩れの1失点のみ)と好投しています。
しかし不運にもこの好投は報われず、試合は0-1で敗戦。
弔い星を捧げるため満身創痍で投球した福井投手は、 「今日は勝ちたかったです。負けたら意味がないので…」。とこぼれ落ちた涙を右手でぬぐったそうです。
結果、 弔い星は、9月20日(6回1失点)までお預けとなりましたが、福井投手らしい投球は、見る側の目頭も熱くさせてくれる好投でした。
二人の良い父に恵まれつつも、早くに亡くしてしまっている福井投手。
しかし二人の心と思いは福井投手の心と右腕にしっかり刻まれ強く生き続けています。
今後の福井投手の更なる躍動に期待しています。
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